腸内ウイルスであるエンテロウイルス属の複数のウイルス(種)が、口腔内感染からの
飛沫感染と便からの接触感染(聞きなれないと思いますが糞口感染と言います)が原因と
なり、主に小児が感染し、手足口内に発疹を呈します。大人の感染は稀です
潜伏期は(感染から発症まで)3-6日です。一部の種を除き、軽症のまま自然治癒します
ので、登園・登校の禁止はありません。しかし、徐々に減少はしますが、口腔から1-3週、
便からは3週以上(1-2か月)ウイルスが排出され、アルコールは効きにくいため、手洗い
励行などの普段からの一般感染対策が求められます。
近年手足口以外に全身に発疹が出現し、大人にも感染し、髄膜炎・脳炎・心筋炎などの
合併症も多い種の感染も増加し、今後の推移には注意が必要かもしれません。
夏に流行する口腔内の水泡を呈するヘルパンギーナも、種は異なりますが手足口病と同
じエンテロウイルス属が原因であり、手足口病と同様に考えてください。

2022年6月16日
医療法人社団 船橋ベイサイド小児科
院長 佐藤武幸

船橋ベイサイド小児科