中国の武漢より世界に拡散されました。アルファ株からデルタ株を経て現在はオミクロ
ン株(及びその亜型)が主流となってきています。デルタ株は2倍以上の感染力に加え、
重症率も増加しました。オミクロン株では重症度は減少しましたが、感染力は増加し、特
に乳幼児から若年層まで発症者が急増しました。現在も新規の亜株が増加中です。
基本的な注意点は従来と変わりはありません。しかし、特に空気感染への注意が必要と
なります。飛沫感染は比較的大きな粒子が原因となり1-2m以内に床に落下しますが、空気
(エアロゾール)感染はより小さい粒子が原因となり、遠距離まで飛ぶため広範囲に感染
リスクを増します。
ウイルスは空気の流れ(気流)に乗って拡散しますので、ウイルスは見えなくとも気流
は線香の煙等の工夫で確認できます。気流は排気側に向けて扇風機を回すと人為的にもつ
くれます。
ウイルスは最終的には床に落下し不活化され、再度舞い上がるリスクはありません。以
前以上に換気に注意し、特に2方向を開けることにより換気効率が10倍はあがると言われ
ています。
感染症病室では医療者側の天井より給気し患者側の床面より排気する設計となっていま
す。家庭でも感染者が気流の下流側に位置することで感染リスクを下げることが出来ます
。特に親が食事介助・添い寝が必要な子どもの場合は必須の知識です。
日本で現在使用されているワクチンは、変異株にも有効です。副反応・有害事象の報告
もありますが、有用性の方が勝ります。現在12歳以上、5歳~12歳未満、6カ月~5歳未満の
3種のワクチンがあります。正しい情報を得て、接種を念頭にご検討ください。

2021年7月5日
2023年5月31日改定
医療法人社団船橋ベイサイド小児科
院長 佐藤武幸

船橋ベイサイド小児科