今回の対象者は感染の確認された患者です。
感染の確認されていない人には、今まで通り、うがいそのものをお勧めしません。
感染者においても、今回の研究結果のみでは、感染症全体への影響を考慮すると、現時点ではやはり対応には慎重であるべきと考えます。
今までのエビデンスは、たとえ一時的な病原体減少は認められても、うがいそのものに感染の予防・重症化予防についてエビデンスがなく、周囲への汚染を増加しますので、推奨はされていません。
特に医療機関内においては他の病原体による環境汚染より院内感染リスクを増加させますので、禁止されています。
イソジンうがいでも、水のみによるうがいより有用性は証明されていません。かえって粘膜障害による他の病原菌への悪影響、局所免疫の低下等全体的にはむしろ悪影響が考えられます。また、ヨードアレルギー・甲状腺機能への悪影響も考慮されるべきです。
しかし、コロナウイルス感染については不明が多く、今までのエビデンスとは異なる可能性はあります。特に他のウイルス感染症と異なり、発症前2-3日よりウイルス排出が始まり発症日には最高レベルとなり、45%の人が発症前の人からの感染が確認されています。
従って今後も研究の継続は進めるべきとは思いますが、ウイルス量のみの未成熟な段階での発表であることは事実であり、残念なことと思われます。